駝鳥の戯言…

思った事、あった事をそのまま書く…うそは書かない…

レンジローバー

最後まで悩んだ車。本当は2代目のバンデンブラが好きだが、さすがにあの世代のレンジに手を出すほどの勇気はない。
1)外観
実は結構気に入っていた。ドアミラーがボディ同色でなかったのがネックだが、ゲレンデのような無骨さのないスクエアで直線的なデザインは、洗練されたものを感じたし、好みだった。見切りの良さも気に入っていた。色もイギリスって感じの渋めの色が多かったが、売れているのは実はシルバー…らしい。ベンツなどからの乗換えや2台目を言う購買層は、無難なシルバーになるらしいとは営業談。日本人のお金持ち系は、無難な色が好きだから高級車の色がサラリーマンのスーツみたいに同じ系ばっかりってのが、ホント日本的。ヨーロッパみたいなセダン原色ってのは、あまり見かけない。カイエンもスピードイエローがあったら、絶対選んでいると思う…でも、ちょっとハデ過ぎか。
2)内装
ほぼ満点…と雑誌の写真を見て思っていた。確かにウッドの使い方とか、きっと1年もするとゆがんでくると思われるコンソール上の革張りも、雑誌の言葉で言えば”高級リビング”的な全体感も嫌いではない…と言うか、他に比べると良いなぁと思っていた。が、実際に乗ってみるとこれが違った。確かにいい。それは認める。が、シフトレバー周りのセンタートンネルの辺りに使っているプラスチックは、なんじゃこれって感じだった。なんか、100円均一で売ってる東南アジア製のプラスチックのおもちゃみたいな材質…ありえないと思った。あと、これは仕方がないのかもしれないけど、パワーウィンドウのスイッチ類の材質的、デザイン的違和感。仕方がないといったのは、BMW傘下故の3シリーズ辺りとの部品の共用化。もったいない…って感じ。白無垢に一点の染み…だから目立つ。要は、プラスチックの扱いが下手すぎ。これは輸入車全体(カイエンはレンジより…(*_*))にいえることだけど、この辺はトヨタ辺りはすごいと思う。そういう意味では、プラスチックの扱い方は、カローラ以下。ちょっと失望した。後は、HSEはシート表皮もNGだった。まぁ買おう押していたのは、その上なので関係ないが。ありゃ、安っぽすぎ。カーナビのセンスのなさは…これも仕方がないのか。
3)エンジン
パワーはそこそこあって、飛ばす車ではない割には充分だと思った。が、BMW製のエンジンのフィーリングは、キャラクタ的に合ってないと思った。大体2200回転を越えた辺りから聞こえるV8特有の”うもももも…”って音は、音質自体も違うなと思うけど、何でこんなに室内に入ってくるねん。営業いわく、”スポーティーさを云々…”と言っていたが、そんなもの誰が求めんねん、あのクルマに。まぁレンジ自体に求めるものではないと思っていたが、メーカーさんが、レンジスポーツ出している辺り、理解できないレベルになってきているが。
4)総評
最後まで悩んだが、採用しなかった大きな理由が、ブランドとしてのゆるぎないポリシーを感じられなかったこと。カイエンも一見そういう意味では、ポルシェのポリシーを感じられないところもないわけではないが、あんなSUVはポルシェにしか作れない…良くも悪くもポルシェのクルマだって思えたのは、911と、どっか同じ空気を感じたから??単純にあのマークがついているから???でも、あんなSUVはポルシェにしか作れないと思えた。兄弟車のトゥアレグとも全然違うクルマだったし…あれ、レンジから脱線した…
当時BMW傘下からフォード傘下になって、ジャガー製のエンジン積むとか何とか…って話しが出ていた。(勿論営業はそんなことは一言も言わないってのも気になった)なんか、折角レンジローバーと言う確固たるブランドイメージがあって、外観もモダンだけどコンセプトは受け継がれていて…だったのに、会社がふらふらしているせいで、中身とのバランスの悪さが、結局購買に結びつかなかった。いいクルマだと今でも思っているけど、プライドを感じない。もったいないような気がする。企業としては利益追求はやむを得ないのかもしれないが、ランドローバーは世界で唯一の(ホント?)4駆専門メーカーになったんだから、SUV(当時そんな軟派な言葉は無かったが)の先駆者としてのプライドが欲しいなぁ。カイエンやX5追っかけてどうすんの??スーパーチャージャーでドーピングする必要があるの???
所詮、米国市場しか見ていないから仕方がないのかな。どっちも売れてるし。私もカイエン買ったけど。レンジローバーと言う車を求めている人だって、決して少なくないと思う。そういう人たちは、今のレンジをどう思っているんだろう。